貧困率の考え方とその種類をユニセフが解説

最終更新日 2024年4月15日 by tradgard

絶対的貧困率と相対的貧困率

一般的に貧困率とは複数種類があり、主には二種類に分けられます。
絶対的貧困率と相対的貧困率と言い、前者は生きていくためのお金が全くなく住居もない、食べるものや着るものなどもないような状態です。
たとえて言うならば他国でよくある内戦等で難民になってしまったような状態を指して言います。
日本ユニセフより

これに対して相対的なものはOECDすなわち経済協力開発機構で定められているもので、その国における平均的な所得の半分以下で生活を送る人のことを指して言います。
こうした違いをよく理解した上でこの言葉がよく理解されて使われているかどうか、考慮する必要があります。

グローバル化の進展で徐々に先進国でもこの差が拡大していくような状況になりました。
貧困とは縁がないようなあるいはなかったような日本でさえ、今では子供を育てることが困難という世帯は少なくありません。

また、生活を送るのに手いっぱいで、子供を産み育てるどころか結婚すらままならないという若い人が増えている有様になっています。
このことは結果として日本における少子化に歯止めがかからず人口減少に直結する状況になったと日本ユニセフも言及しています。

日本でも徐々に貧富の差が激しくなっている

貧困については日本でも徐々に貧富の差が激しくなり、貧困で生まれ育った人は高学歴を目指すことが出来ずに貧困のままになってしまうという貧困の固定化も問題化しています。
こうした状況を打破するためにも政治や行政の関与が欠かせない状況になっていますが、年々悪化していく有様です。

特に親の収入が少なく食べさせることも厳しいという状況が多くあって、政治や行政の対応では間に合わないということで草の根的に行動を起こしている人も少なくありません。

子供食堂などの名称で知られている活動ですが、三食満足に食べることが出来ない子供だけではなくその親にも加わってもらって、子育ての問題について地域で対応をしていく活動が活発化しています。

貧困を放置してもその貧困の家庭で育った子供が大人になって、その大人になった子供も満足な教育が受けられておらず貧困になってしまうという貧困の連鎖が止まりません。

貧困でつらい思いをした人の中には子供に同じ思いをさせたくないと思う人も多いです。
すなわちこのことも少子化の遠因になっています。
政治や行政による対応が待ったなしで必要な状況に陥っている環境です。

生まれや育ちで貧富が固定化される

また貧困では貧富の格差が問題にもなってきています。
財産を持つ人はその財産を使ってさらに財産を得るのに対して、貧困層では働いても食べていくだけのお金程度しか得られなかったりあるいはそれすら厳しい状況もあります。

生まれや育ちで貧富が固定化され、このことが階級社会になっているという指摘もあるほどです。
豊かになったはずの日本でもこうした貧富の差が激しくなっているわけですが、北欧諸国のように税金が高くても再分配がうまく機能して貧富の差を抑える役割を果たしているところもあります。

すなわち納税額が高額でもそれがしっかりと再分配機能に繋がっていることで、少子化に歯止めがかかり結果として社会保障もうまくいくという好循環を生み出しつつあるところもでています。

日本では残念ながらそうした状況にはなっていません。
それどころか生まれや育ちによって貧富における階級が固定化されてしまって、貧しい人はずっと貧しいままという状態になってしまった現実があります。
本人の努力だけではこの打破が難しい社会になってしまったわけです。

徴収された税金が本当に自分たちのために使われているのかどうか

貧困を考える上ではこのように色々な視点で考慮を進める必要があります。
社会的背景や税金の問題についても考慮をしなければ、総合的な貧困を考えることにはならないです。

社会の再分配を考える上で徴収された税金が本当に自分たちのために使われているのかどうかをしっかりと見極める必要があります。
納税者としてこの意識を持って納税を行うことの重要性が増しているわけです。

絶対的貧困は目に見える形でのものは少なくなったといえますが、しかしながら目に見える範囲で少なくなっただけです。
たとえばネットカフェ難民という言葉が生まれたように、住居がないけれどもその日暮らしならなんとかなるという若い人も大勢います。

ネットカフェ難民は深刻な問題

こうした人も含めて総合的な判断が求められるような時代です。
このことは地域に押しつけるのではなく政治や行政が率先して活動をすることで対応が出来る面があります。

特にネットカフェ難民は目に見えない場所になり、調査なども安易なことではありません。
日ごとにネットカフェを転々とする人もいて、実情把握も大変に難しい状態だからです。

貧困を防止していくことが少子化の歯止めに繋がり、結果として日本社会を構成し続けることに繋がっていきます。
長い目で見て少子化への対応と貧困の解決を図ることが、これからの日本では必要不可欠です。

住居がないのであればその整備を急ぐことなども重要な施策となり得ます。
政治と行政が急いで対応をとることが、将来の日本の明暗を分けることになります。