有価証券報告書を分析する

最終更新日 2024年4月15日 by tradgard

有価証券報告書とは金融商品取引法に基づくディスクロージャー制度として、企業が自社のホームページなどで開示する書類のことです。

事業内容や業績などが書かれているので、投資家やビジネスパーソンが注目します。

有価証券報告書を開示するのは上場企業がメインですが、未上場企業でもたくさんの投資家が株を持っていたり募集などにより規模が一定以上の有価証券を発行していれば開示しなければなりません。

原則として事業年度が経過して3ヶ月以内、外国企業は6ヶ月以内に提出し、3月に決済、6月に定時株主総会が行われるので、株主総会で選ばれた役員が6月に公開します。

最近では企業の透明性が好まれるので、上場企業のほとんどは四半期ごとに提出しています。

最初に書かれているのは企業の概況で、5年分の売上高や経常利益、当期純利益などが分かります。

同じ業種の企業を比較したり、過去からどの程度成長しているのかを見れば、企業の勢いを判断できます。

横ばいだった売上高が急激に上がっても、当期純利益は減少するという不思議なケースもあります。

これはM&Aの影響で、沿革のところに書かれていることが多いです。

既存のセグメントに取り込まれれば、企業はそのセグメントの強化を目指し、新しいセグメントならば既存の事業から脱却した戦略を練っていると考えられます。

売上高がその企業だけならば増減はM&Aなどが要因ですが、業種全体で似たような動きを見せるならば外部環境が関係しています。

投資家は現在のトレンドから将来の動きを予測するスキルが重要なので、金融やマーケティングなどの知識を活かして報告書を読めば、企業の分析ができます。

有価証券報告書は金融庁が作成したEDINETというサイトでも無料で閲覧できるので、企業を比較したい時に便利です。

従業員数や離職率、変異金年収などを分析したり予想したりすることもできるので、就職や転職にも有益な材料として存在します。

出典:吉野勝秀