最終更新日 2024年4月15日 by tradgard
白いクリームの上に乗せられた小さな赤い粒、メロンソーダの緑の泡の中にアクセントとして映える赤いボール、カクテルグラスに差し込まれた赤い実は時に女性を色っぽくみせる小道具に早変わり・・という果物といえばもうお分かりの通りさくらんぼ。
スイーツなどのアクセントに使われることが多い果物ですが、単なる愛くるしい見た目を楽しむだけではなく甘味や食感にもファンは多く、さくらんぼには「果物の宝石」という別名もあります。
お花見などで目にするサクラの木とは違う、実サクラとよばれるこの果実は、もともと遠い西アジアの木でありそれがヨーロッパを経由して日本に伝来してきました。
雨や寒さに非常に弱いデリケートな木であることが特徴で、さくらんぼの収穫にはリンゴやナシ以上に手間がかかる栽培の難しい果実であること、そしてルビーを彷彿とさせる真紅の輝きが「宝石」の呼称につながっているようです。
広く世界で愛されおりトルコやアメリカ産の缶詰などはよく見かけますが、味に関してはヨーロッパ産のナポレオンや日本の佐藤錦が有名なところになります。
フランス皇帝ナポレオンを冠した名前ではありますがフランスの品種ではなくこちらはベルギーの品種なのが紛らわしいですが、佐藤錦は黄玉とよばれる品種とこのナポレオンを交配させてつくった日本原産の品種になります。
ナポレオンと比べると酸味が少なく甘みが多く食感もやわらかめになっており、この品種の生みの親である佐藤栄助氏の名前にあやかって命名された木でして、自分の苗字が木に使われることに渋っていた佐藤氏を「砂糖のように甘いからってことで!」と押し切られて、本人も渋々了承したという話が残っているほどです。
海外種に比べると赤みが際立っているのも佐藤錦の特徴であり、パックにいれて並べられているとひとめでわかるほど。
改良を加えられていくうちに大振りな粒もできるようになり、その食べごたえから非常にたくさんのファンを持つ品種でもあります。
2Lサイズの佐藤錦になるとモノによってはグラム単位ではなく1粒あたりいくらという感じで取引されるほどでして、高級果実店などでも人気の定番アイテムになっています。